救世主ファニーボーン


~~~討伐条件~~~
討伐は推奨されていません。
現在、ミッション〝肘と再起〟によりこのカミサマは保存と活用の推奨がされています。アルマデル全支部は、可能な限り職員に当ミッションを発令し、必要量の発電を行ってください。
経歴:このカミサマは、イーコールに適合した人間に必ず寄生します。寄生部位は上腕と前腕を繋ぐ関節部分(ファニーボーン)であると判明しています。刺激を行うと放電を行う異常性を持っています。
異常性の発露量の差から、左腕と右腕の関節部分に寄生量の差があると考えられていますが、詳しい原理は判明していません。
このカミサマは旧日本領土の壁外調査により、カミサマの影響を受けずに生き残っていた未確認の民族の発見から由来します。
当村の調査が進むにつれ、交流の過程で〝肘神様〟を始神とした土着信仰の文化の詳しい説明が行われたことにより、異常性、ないしはイーコール適合者に寄生していたカミサマの発見に到りました。
以下は、代表住人とアルマデル第3支部局員とのインタビューログです。
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インタビュアー:イヴ・メイソン一般局員
対象:土方 ヒジマサ氏
メイソン局員:にわかには信じ難いな。あなたたちの信仰を、我々も否定するのは心苦しい。しかし、あなたたちの言っていることは、信仰を超えている。
土方氏:外の人には、思いもつかないお話でしょう。私もそうだった。
メイソン局員:なんだと?
土方氏:私は、この村の生まれでありながら、〝肘神様〟の信徒ではありませんでした。最初は、あなた達と同じでした。
(土方氏はゆっくりと息をつく。メイソン局員はメモ長にペンを走らせる音が続く。)
メイソン局員:詳しく教えて欲しい。
土方氏:ええ。そうですね。私は、現実的な子だったと思います。虫を取るより数字が好きでした。友達と喋るより読書が好きでした。だからでしょうか、当時の私は、何でもかんでも疑いにかけてから物事に向き合おうともしない子供だった。
土方氏:そのまま大人になって、私1人がこの村の象徴とも言える信仰を、もっぱらせずに、結果浮いたまま生活をするようになったのは、考えに難くないでしょう。私は、どうしても信じられなかったのです。
メイソン局員:と、言うと ?
土方氏:カミサマですよ。私はカミを信じられなかった。この世は全て数字出表せると思っていましたからね。あなたと同じだ。
メイソン局員:…………………
(咳払い)
土方氏:それで、ある日のことです。あの日は、年に一度の例大祭だった。村総出で、肘神様へ日頃の御恩をお返しする儀式です。あの時、私は例年に通り、村の外れで1人歩いていました。このままここで明日まで時間を潰そう。毎年のことです。慣れていた。
メイソン局員:……………………
土方氏:けど、私はその時、木の根にうっかり足を取られ、転びそうになりました。そして、その時、なんの偶然か、肘から転んでしまったのです。
メイソン局員:肘、ですか………………
土方氏:えぇ!そうです!肘!!肘からです!そしたらですねぇっ、びぃぃぃぃいいいいんて!!!!!
メイソン局員:びぃぃぃぃいいいん、ですか。
土方氏:違います!!!!!!!!!!!!びっっっっびぃいいいいいいいいいん!!!!こんなものじゃありません。あれは私にとって天啓だった─────
(恍惚に震える声)
メイソン局員:はあ…………………。
土方氏:あなたもどうですか?びっっっっびぃいいいいいいいいいん。
メイソン局員:え?い、いや、私はちょっと
(強引にメイソン局員の腕を両手で掴みあげる土方氏)
土方氏:大丈夫です!!!あなたも体験すれば、きっと理解出来る!!!
メイソン局員:い、いやだから…………っっ、………………おい、このクソったれをだれか離してくれ!!
土方氏:いきますよぉ〜〜〜〜
メイソン:やめろ!行くな!クソ野郎!!
(直後、鋭い放電の音と共にログが破損する)
終了
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土方氏の手解きを受けたメイソンは、その直後右前腕から推定2万8千Wの放電が発生するインシデントがありました。
このインシデントをきっかけとし、本格的な村の調査を行い、その結果、全住民がイーコールの適合者であるという検査結果が提出されました。
この調査報告受け取ったアルマデル本部は各支部にこの現象の実験結果を提出するよう指示がされました。
以下は行われた実験記録です。
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実験記録データ5020
実験対象:イーコールに適合していない奴隷階級
実験責任者:パーシー・ニコルソン一般局員
実験内容:ファニーボーンの刺激による発生電力測定
結果:0W
コメント:ニコルソン一般局員「どうやら、イーコールに適合していない人間では放電は起きないらしいですね」
実験記録データ5023
実験対象:イーコールに適合していないルクレルク人
実験責任者:パーシー・ニコルソン一般局員
実験内容:ファニーボーンの刺激による発生電力測定
結果:0W
コメント:ニコルソン一般局員「ルクレルク人は関係なかったようです。2時間にわたる実験の終了後、被験者は肘部の痛みを訴えていました。何か関係があるのでしょうか」
実験記録データ5055
実験対象:イーコール適合者である一般局員
実験責任者:パーシー・ニコルソン一般局員
実験内容:ファニーボーンの刺激による発生電力測定
結果:1kW
コメント:ニコルソン一般局員「放電を確認しました。」
実験記録データ5055の提出により、本部は実験の優先度を変更。担当者の変更が行われました。
実験記録データ6000
実験対象:イーコール適合者である一般局員5名
実験責任者:鶴橋 高像 特権局員
実験内容:被験者五名を同時にファニーボーンへの刺激を行い、発生した電力を測定する。
結果:23.8kW
コメント:鶴橋特権局員「同時に放電を行うと共鳴するのか目覚しい大放電だ。この放電は我々の希望の光であり、悲鳴は反撃の咆哮となるやもしれない。」
実験記録データ6005
実験対象:神聖血統局員一名
実験責任者:鶴橋 高像 特権局員
実験内容:ファニーボーンへの刺激を行い、電力の測定を行う。
結果:500kW
コメント:第8支部長「わたしのもふもふも簡単に乾かせたよ。よくやった、原石くん。」
以下の実験から、発電コストの有効さから本部は全支部の責任者を招集。緊急会議がされ、ミッション〝肘と再起〟が全支部へと通達。任務を実行するよう通告されました。
任務内容は、イーコール適合者全職員が、専用の発電機器へ両腕をセットし、全自動でファニーボーンを同時に刺激することにより大容量の蓄電器へ発電を行い、充電を行った蓄電器を母船ビクトリア号に運搬。
このミッションにより、母船ビクトリア号のエネルギー問題は解決しました。
アルマデル本部「我々の、勝利だ───────」
※当記事はジョーク記事であり、当世界線は本来のシナリオとは異なります。
~~~調査報酬~~~
Version.1:コード【発電】解放
Version.2:コード【肘】解放
Version.3:コード【大放電】解放
Version.4:コード【ファニーボーン】解放
Version.5:コード【救世主】解放___________________________