防壁と安全地帯

防壁とカミサマの関係、出撃手段、

 世界の7割が荒れ地となったこの世界の残り3割は、疎らに存在する安全地帯であり、そこには殆どイーコールの影響がない。しかし、イーコールが侵蝕できないだけであり、イーコールがほかの要素を纏ったカミサマはまた別である。
 そのカミサマが安全地帯に侵入しないために建築されたのがこの防壁であり、一般人たちが閉塞感を覚えないように光学ホログラムを纏わせて、外界の映像を偽造し映し出している。
 また、この防壁にはカミサマを安全地帯内から弾き出す為のコードが刻まれており、大きすぎる力を持ったカミサマは防壁を破壊しない限り、安全地帯に侵入することは不可能である。さらに、現状の研究データから導き出される術式数値から算出した規格では、この防壁を破壊できるカミサマはこの世界に存在しないという結論が出ている。

 ただし、カミサマを弾き出すコードにも穴がある。イーコールを含んだ研究員たちが安全地帯に存在するために、一定の数値以下のイーコールしか保有しないカミサマや研究員たちは、このコードの影響を受けないように設定されている。故に、弱いカミサマや危険度の低いカミサマはこの防壁を搔い潜って安全地帯内に潜入することが可能なのである。
 
 アルマデルの敷地内には防壁のコードの影響はなく、それによって敷地内の保護サイトでカミサマやカミサマに影響を受けた被害者などを保護または隔離できる構造となっている。しかし、収容を可能にするには一般的な安全地帯への侵入経路とは別の経路を使うしか方法はなく、それに伴い、アルマデル第八支部では出撃用ワープゲートを採用している。
 ワープゲートから出撃し、既定のワープポイントからゲートへと帰還するというのが我らアルマデル第八支部に所属する研究員たちのオーソドックスな任務への出撃及び帰還スタイルとなる。
 
 安全地帯については、各国に疎らに点在し、その範囲やその位置までも虫食いのように不規則的であるため、旧世界地図で言う処の「どの国にも範囲の大小はあれ安全地帯は存在する」という事になる。

2021/9/21