終末論とエリアーデの仮説

混乱の最中、人類復興機関アルマデルは活動を続け、数十年が経過した頃、世界全土の70％が侵蝕によって文明崩壊し人が住めない状態になってしまった事、世界中に点々と存在する合計30％の土地では殆ど侵蝕が進んでいない事が判明した。
アルマデルはヴィクトリア号へとまだ地球には未来が在る事を告げた。
それに対する返答は「可能な限り文明を復興し速やかに我が母船が帰港可能な状態にせよ」との事だった。

結果として元より近未来的だった町並みを完全に復興させる事は出来ず、現実世界で言う現代的な街並みが限界であった。
混乱を鎮静化する為に大気汚染を免れた土地を防壁で囲い、記憶処理を行う事で下記の情報を一般市民に植え付けた。
・世界は退廃などしておらず文明は元から現代の水準であった
・大気汚染など無く、防壁は未知の怪物から身を守る為の物である
・ヴィクトリア号の選ばれた者達は防壁の外で未知の怪物を町から遠ざける為に戦っている
という事であった。

本題に入ろう。此処までがこの世界とアルマデルの大まかな歴史である。
旧日本に存在するアルマデル第八支部は各国に存在する安全地域の中で最もカミサマの分布と目撃が多い支部である。
アルマデルの存在を世界に知られてはいけない。カミサマの存在も最小限の情報露出に抑えなければならない。
全ては、世界復興と希望の船「母船ヴィクトリア号」の帰港の為である。

母船ヴィクトリア号に残された資源はもう残り少なく、不時着するのは時間の問題だ。
有力者たちが地上に帰った時、今の世界状況では資源の枯渇に見舞われる事だろう。
それまでに、我々はなんとしてもカミサマの研究を進め、世界を元の姿に戻す必要がある。

文明復興、脅威となるカミサマの討伐と研究、住民達の保護、大気汚染の解消………
我々が果たすべき課題はまだまだ山積みだ。

全ては、君達の手に掛かっている。

何せこれから始まるのは、
見放された我々が見放された世界を救う物語なのだから！


以上で講習は終了だ、契約書をしっかりと読み込んでサインしたなら、
いよいよ適性試験に移行しよう。素晴らしい結果を期待しているよ。